マグデブルグ夏の学校1999に参加して

自然科学研究科 生産システム専攻 須藤


この夏の学校には学生の間にしかできない貴重な体験ができると思い、前々から参加を考えていましたが、いざ張り出された募集要項を見てみると進学のための試験日と重なっており、どうすべきか悩んでしまいました。しかし最終的には佐藤先生に相談にのっていただき、いろいろと取り計らっていただいて無事参加するにいたりました。

実際に踏んだドイツの地は、海外初体験の僕にとってはすべてが新鮮でした。そして常に感じたのは、日本から遠く離れた西洋の国でありながら私たちと同じような生活がそこにある、と言う当たり前のような事実でした。しかしそれは、日本が近代的な国家となって西洋の文化を無意識のうちに取り込んでいると言う事なのかもしれないと思ったりもしました。今振り返ってみて、こうした異文化を身を持って感じられたのは2週目にあったホームステイの体験の果たすところが大きかったと思います。ホームステイ先ではサイクリングやプール、ディスコに連れていってもらったり、家庭菜園で、そこで取れた果物を食べながら日光浴をしたりと、本当に日常的でそれでいて楽しい時間を過ごさせてもらいました。そして何より家族に暖かくもてなしてもらい、人と人とのふれあいが持てたことが感動でした。

また、毎日のように午前中に習ったドイツ語も、とてもためになりました。実際に買い物をするときなど、その日に習ったばかりの単語を使ってみたりしてすぐに実践できるのはなかなか面白い体験でした。ドイツ滞在中はスケジュールがすべて決まっていたので、欲を言えばもう少し自由な時間をもらえれば、自分で食事を注文したり、自分で切符を買って電車に乗ったりと、もっと実践的な体験ができて面白かったのではないかと思いました。

そして、理工学系の学生のためのサマーコースということで、学内の研究室やいろいろな企業の工場や研究を見せてもらえたのも、学生のうちのしかできないことであり、そしてまた興味深いものでした。ただ、自分の分野以外の研究に対しては何をいっているのかほとんど理解できず、興味のある分野を選択するような形での見学でもよかったのではないかと思いました。しかしながら、自分の知りうる分野に関しては、新大と同じような研究をしているなと思ったり、より新しく便利な測定装置を使っていてうらやましいところもあったり、説明がとても分かりやすく自分の研究の説明もこのようにしなければならないな、と感化されるところもあったりと、いろいろためになりました。また、特にガンファクトリーでは、社長のドイツ統一に伴ういろいろな経営者としてのお話をパーティーの席で聞かせていただいたのも、とても心に残りました。

最後に今いえることは、無理をしても参加してよかった、ということです。それは参加前から佐藤先生に何度もいわれていたことでしたが、終わってみてやはりそう思っています。そしてさまざまな体験と共に、一緒に参加したみんなと本当に親しくなれたことも結果として、僕にとってこのサマーコースに参加した大きな意義の一つであったと思っています。