マグデブルグ大学サマースクールに参加して
 荒沢


私がこのサマースクールのことを知ったのは、去年の新潟大学で行われたサマースクールのお世話をする研究室を募集していた時でした。 研究室の先生が、この話をしてくださって、私と数人の研究室の仲間は、 ドイツ人という珍しさからほんの軽い気持ちで引き受けることにしました。 しかし、実際にドイツの学生を迎えてみて、英語が苦手な私は、「話をしたい」という気持ちはあるのですが、ドイツの人を目の前にすると英語が全く頭に浮かんでこなく話をほとんどすることができませんでした。 私はその時、ドイツの学生はみんな英語がスラスラ話せるのにうまく話す ことができない自分に対する恥ずかしさと、世話役を引き受けておきなが ら何も役に立てない申し訳なさでとても落ち込みました。  

そのことがきっかけで、何とか英語が話せるようになりたいと思い、来年のマグデブルグ大学のサマースクールに向けて英語の勉強をしようと思 いました。そして、今年に入りサマースクールへの参加が決定しました。 この参加が決定してとてもうれしかった反面、実際研究や授業などであまり英語の勉強をすることができなかったことから正直「参加してよかった のかな?」ととても不安でした。こんな不安を抱えたままドイツへむけて出発となりました。  

ドイツでの生活は、思っていた通り英語での説明がほとんど聞き取れず とても苦労しました。辞書を片手に何とか聞き取ろうとするのですが途中でわからなくなり最後まで聞き取ることができないことがほとんどでした。 しかし、少しずつですが英語に慣れてきて、こんな私でも何となく言っていることを理解することができるようになりました。このことは私にとって、大きな進歩でもあり、自信となりました。  

サマースクールでのいろいろな経験は、どれも楽しく、ためになるものでしたが、その中でも2泊3日のホームスティは今までにないたくさんのこ とを経験することができました。行く前はとても緊張して逃げ出したい気 分でしたが、そんな私の気持ちを察してくれたのかホストファミリーの人たちはとてもやさしく迎えてくれました。ホストファザーは英語を話すことができなかったのですが私の下手な英語を何とか理解してくれようと7歳の女の子と一緒に辞書を片手にジェスチャーなどで一生懸命になってく れたことがとてもうれしかったです。

このホームスティで私は、日本人とは違ったドイツの人たちの生活習慣を 実際に肌で感じることができ、自分たちの生活を改めて考えさせられまし た。  最後に、私にとってこの旅の最大の収穫は、多くの人たちと出会い、多 くの人たちの優しさに触れることができたことだと思います。