(大学案内パンフ(右図)の和訳)
1200年の歴史都市マグデブルグ
マグデブルグ市MagdeburgはSaxony-Anhalt州の首都で1200年の歴史をもつ。記録としては805年に現れる。Otto一世が領主となり、968年この地方の管区主となる。近世までのこの市のこの地方Saxony-Anhaltに対する主権は中世以来のものである。宗教改革時代にはマグデブルグはプロテスタント運動の中心地であった。30年戦争で街は完全に破壊されたが、オット・フォン・ゲーリックOtto von Guericke市長のもと再建された。19世紀マグデブルグは工業・商業都市として発展した。市の歴史的街区は1945年1月16日の爆撃で80%破壊された。
(伊東注:現在人口26万人。第二次大戦時の都市爆撃による被害はドレスデン市の場合がよく知られているが、マグデグルグでも甚大なものであった。数百年に渡りつくられた石作りの街区を再建するのは容易でなく、50年後の現在でも再建途上にあるといえる。市の歴史自然博物館にはこの爆撃被害のきわめて詳細な模型まで展示しており、市民はこの爆撃に対する記憶をとどめようとしている。)
度重なる街の破壊にもかかわらず、市にはいくつかの歴史的建築物が残っている。市を代表するのが初期ゴシック様式の教会である。これは中世のもっとも壮麗な教会のひとつである。Wise and Foolish Virgins式の絵画や皇帝Otto一世の墓がある。ロマネスク建築をたどる道のはじめは市の修道院である。これが典型的ロマネスク様式である。市内にはRotehorn公園、馬場をもつHerrenkrug公園、Lenne 建築をモデルとしたKlosterberge公園などがある。マグデブルグ市にあるの州議会と州政府がこの地方の将来を決める政策をおこなっている。
(伊東注:小さいながらもやはりヨーロッパの都市は歴史があり、新潟市とは比較にならないくらい観光的にもみどころが多い。古代(土器)、中世(教会建築・城郭都市)、近世(街区)と各時代の歴史的遺産が残されている。11世紀のロマネスク様式は建物がそれほど大きくなく、窓などの半円形アーチが特徴である。これにたいしてその後のゴシック様式は人の視線を空へ導く高い塔に特色がある。(とのこと))
オット・フォン・ゲーリックOtto von Guericke(1602-1686)
大学名にあるオット・フォン・ゲーリックは30年間マグデブルグ市の市長であった。各種市政をおこなう一方、科学者、技術者、哲学者として国を超えた名声を得た。すばらしい科学的・技術的アイデアと実践的・厳密な説得力のある「マグデブルグの半球」実験により、ゲーリックは当時の哲学的問題―真空は存在するか否か−を解いた。
自身の工夫による真空ポンプで、彼ははじめて高真空を作った。これを用いてこの有名な実験により大気圧の存在とその力を示した。これはドイツにおける実験物理の最初でもっとも重要な実験となった。ゲーリックの真空の実験が当大学における真空物理学分野の基礎となった。
このよく知られた「マグデブルグの半球」実験は 1659年マグデブルグでおこなわれた。16頭の馬により脱気した半球をひきはなすことが試みられた。
マグデブルグ市のロゴには半球の実験が教会とエルベ川を背景に描かれている。
(伊東注:言葉はcity of power)
マグデブルグ・オット・フォン・ゲーリック大学は若く、活動的で、未来指向で国際的である。
若さ 創立は1993年、マグデブルグの3つの高等教育機関が合併して創られた。
活動的
これは大学の発展ぶり、研究活動、新しく魅力的な学習コースで明らかである。
未来指向
先端技術分野、医学・生命科学・社会学と結びついた生化学分野、人文学分野に現れている。
国際的
研究や授業で共同研究や留学の取り組みを組織的に行っている。
革新的
その目的は基礎研究を実用に適用することにある。
当大学は8学部5000人の学生に対して25の学習コースと50の専門コースを開いている。従来の工学・自然科学・数学・計算機科学・医学・経済学・教育の区分に新しい学習コースが加わっている。例えばビジネス教育、計算機科学や数学・機械電子工学向けの経営・経済学などである。
8学部、33課程 Joint Degree Studies制により20の専門と各専門分野の複合選択が可能である。伝統的な人文学、社会科学、教育専攻に工学、自然科学、経営経済、数学、計算機科学を組み合わせられる。
本大学ははじめてのPsychology課程を設立した。これは自然科学と神経学の融合である。また、国内初のComputer Visualization 課程ができた。この課程の魅力はその学際性を実用指向である。それは医学などに応用される。
適切な教官/学生比と多くの講義室、最新機器をもつ研究室により最大の教育効果が得られる。
州都にあるため当学は特に地域の発展や研究拠点としての責任をもっている。研究所や病院をふくむ教官がこの要求を満たしている。革新的な研究が科学の各分野でなされている。神経科学、環境技術、電気、人文学の分野そして物理学の分野である。
これら各分野の研究活動は大学院の2センター、技術開発の2センターと学部間の学際的協力により高度化されている。
革新的・学際的
大学はマグデブルグにある研究所と協力関係にある。例えばFraunhofer
研究所、水保全研究所、神経学研究所、大学内のAutomation and
Communication研究所*、環境保全技術研究所である。学内のTechnology-Transfer-Centerが大学の研究と地域の工業との仲介をしている。
*)The ifac Institute, http://www.ifac.fhg.de
最近は米国、英国、イスラエルの大学や研究所との国際提携がおこなわれている。学内の8つの研究所は9つのEU-projectをもっている。国際的な単位互換制度により学生は外国の大学間を移動できる。
大学病院 大学病院は1300床の地域の最大病院である。年間15万人の患者をみている。この病院の使命は高度な医療である。この使命が治療の質を高めている。
病院には3000以上の職員が医師・科学者・技師・技術補助者・看護婦・事務員として勤務する。
国際交流 大学の国際部が各種国際交流をおこなっている。
・ 国外大学との提携と交流
・ ドイツ人学生に対する留学支援
・ 国外サマーコースの実施
・ EUプログラムや世界の提携大学との教育面での提携。提携大学にはStevens
Point, WI/USA, Terre Haute/USA, Nottingham/GB, Leeds/GB, Toulose/F, Nishinij Nowgorod/GUS,
Stams/A 等がある。
・ DAAD,フルブライトなどの奨学金の紹介
・ 海外研修の企画や外国人の留学斡旋
・ 留学生の教育関係諸事項の取り扱い
・ 学生の交換プログラムや国際間共同研究プログラム
・ 国際会議等の開催
・
SPOZ 初心者から競技者まで大学のスポーツセンター(SPOZ)を利用する。60種の種目ができる。ジャズダンス、壁のぼり、トライアスロンなど。Wushuはいろいろなスポーツの要求に答える。各種競技会や有名な"Summer Night's Festival"がある。費用も安いので休暇に最適である。スポーツは無気力や都会病を予防する。"SPOZ"でストレスなく勉学しよう!
語学センター 語学の必要性があれば学生・職員を問わず語学センターが利用できる。コースは各種レベルの英、仏、露、スペイン、ポルトガル、ラテンの各言語および外国語としてのドイツ語がある。会話コースもある。
語学の授業は国際UNICERTガイドラインにもとずくもので、4つのレベルがある。
工学・経済・医学・計算機学・人文学の専門別語学のコースがあるのが特色である。もちろん学生は海外での学習に必要な技術として各自の専門分野を学ぶために言語を学習する。しかし、さらに高度なアドバンストクラスや初心者クラスがある。特別コースは要望により開設される。夏季休暇中は各種集中コースが開かれる。Self-accessセンターでは個別相談と最新マルチメディア機器により個人学習ができる。専門語に関係した研究もおこなっている。
大学図書館
大学図書館は中央図書館、医学図書館、人文学部図書館、その他からなる。
蔵書は80万冊、工学、自然科学、経済、医学、人文関係の4000種の雑誌がある。中央図書館と医学図書館は貸し出しできる。年間11,000人が55万冊の本と雑誌を借りた。オンラインカタログ(OPAC)によりオンライン検索ができる。
特許情報センターとDIN資料室がある。
学位コース
次の学位がある。
−"Diplom" ドイツの大学における初等の学位である。 (D)
−"Magister" Joint Degree Studies Programによる学位 (M)
−教職 (T)
−医学試験 (SME)
−Bachelor of Arts (B.A.)
−Master of Arts (M.A.)
|