平成16年度 新潟大学若手事務職員短期海外派遣の付き添いとしてマグデブルグ大学を7年ぶりに再訪しました
新学部,研究所の設置などずいぶん様子が変わりました。>大学HP
東独以来の本館(機械系)もリニューアル 電気棟を増設 |
機械系の研究所(新設) |
電気系の実験室棟(新設) | マグデブルグは機械工業で有名だったので 過去の製品を大学内に展示している |
経済学部棟(新設) 株価のネオンサイン | 「マグデブルグの半球」の展示 |
"飛んでる"図書館(新設)の外観 | 図書館内部 温室? |
マックスプランク研究所(新設) | マックスプランク研究所(裏側) |
講義室 | ゲストハウスと国際交流課 |
博士が出ると鎖が増える | 定番 ゲーリック像前の記念写真 |
取材 | |
運河エレベーター | やっと完成した運河とエルベ川の立体交差 |
5年前にマグデブルグ大にマックスプランク財団の「Max Planck Institute for Dynamics of Complex Technical Systems(プロセス工学研究所?)」が出来ました。 有名なマックスプランク財団はドイツ全国に80余りの研究所と1万2 千人の研究者を擁する組織ですが,ここは完全な工学系としては初めての研究所です。(多分旧東独振興という政治的理由もあったものと思われます。)
この研究所は化学工学,システム,生物工学分野の8つの講座から成り, 各教授はマグデブルグ大の教授も兼ねていますので,マグデブルグ大付 属の研究所といってもよいでしょうが,研究資金はマックスプランク財団および企業から集めています。
研究員・職員は150人ですが,教官・職員以外の過半はポスドク・博士学生です。各講座に6−7人のポスドクと同数程度の博士学生(平均5 年,給料をもらっている)がいますので,全体で40余りのポスドクと50余りの博士学生となります。職員200人までは増やせると言ってましたが,とにかく化学工学系で40−50のポスドクを雇っている研 究施設・大学は世界にあまりないのではと思います。(ポスドク・博士学生の給料だけで年間2億円はいくのでは。研究費総額はおよそその3 倍か。) ポスドクの半数は外国人です。研究説明してもらったポスドクは中国人女性で,広島大学の浅枝先生のところで学位取得後,ここでポスドクをして3年目だそうです。
各講座を紹介します。
●Physical and Chemical Foundations of Process Engineering
プロセス工学基礎講座
Process
Engineeringがドイツでは化学工学のこと。教授はMorgenstern教授で前回・今回ともお世話になりました。前回訪問時は教授になりたてでしたが,もう大物教授になっています。(当学科事務室前に掲示してある「19回化学反応工学国際シンポ,
ベルリン」のCo-chairになっていました。(知らなかった・・))
(研究プロジェクト) 晶析(とくに光学異性体の分離用) 多孔質材料内の拡散(表面拡散,クヌーセン拡散)
連続クロマトグラフィー(アフィニティクロマトによる酵素の分離) 膜反応器(膜自体はセラミック膜)
●Physical and Chemical Process Engineering
プロセス工学講座
とにかくこのSundmacher教授が若いにもかかわららず,かなりのやり手 とみました。
(研究プロジェクト) 均一径のナノ粒子の製造法 反応蒸留 燃料電池膜反応器
●Process Synthesis and Process Dynamics
プロセス統合・プロセスダイナミクス講座
(研究プロジェクト) 反応蒸留 燃料電池 重合反応 晶析
●Bioprocess Engineering
バイオプロセス講座
(研究プロジェクト) 微生物による薬品など有用物質の生産 バイオプロセスのモデル化と制御
●Systems
Biology
生物システム講座
●Systems and
Control Theory
システム制御講座
●Mathematical Foundations of Dynamical Systems
理論動的システム講座
●Integrated
Navigation Systems
誘導システム講座
以上のように研究の大部分は化学工学・生物工学の研究であり,当学科 との接点はいくつもあります。姉妹校でもありますので機会あればご訪問していただくと参考になると思います。今後,こことの共同研究・研 究者交流が生まれることを期待します。